お知らせ

マイキャン・テクノロジーズ株式会社
医薬部外品・化粧品・食品等の新製品安全性評価キットの製品化について(京都発革新的医療技術研究開発助成事業活用事例)

 京都市及び(公財)京都高度技術研究所では、京都市ライフイノベーション創出支援センターを拠点に、ライフサイエンス分野の産学公連携による研究開発支援、事業化支援等を展開しています。
 この度、マイキャン・テクノロジーズ株式会社(京都市西京区)が、令和元年度京都発革新的医療技術研究開発助成金を活用して研究開発に取り組まれた成果を基に、iPS細胞を活用して、医薬部外品・化粧品・食品等の新製品安全性評価キットの製品化に成功し、販売を開始しますのでお知らせします。

1 製品の概要、特長など

(1)概要及び開発背景

 本製品は、同社が開発したMylc™細胞(ヒトiPS細胞から作製した免疫細胞)を用いた評価キットです。開発段階の医薬部外品・化粧品・食品等について、実験動物に頼ることなく、高精度・短時間・安価に安全性評価を行うことができ、研究開発の促進に大きく寄与することが期待されます。
同社では、Mylc™細胞を用いた安全性評価サービスを昨年から提供していましたが、「自社で直接各種試料を評価したい」「簡便な評価キットで評価したい」という国内外の企業からのニーズが多かったため、本製品を開発しました。

(2)製 品 名 

「Mylc ELISA (human IL-6) Kit」

(3)発 売 日

令和2年9月9日

(4)特 長 

■安定で高精度
Mylc™細胞は、iPS細胞から作製しているため均一であることが特長です。そのため、既存法であるヒト末梢血単核球(PBMC)やヒト細胞(Mono-Mac-6、THP-1など)を用いた方法よりも、安定で高精度な結果が得られます。

■簡単で短時間
細胞培養や条件設定の必要性は全くありません。Mylc™細胞用専用培地とキット専用プロトコールにより、添付された細胞を解凍し、即座に評価に使用いただけます。安全性の指標となるIL-6(サイトカインの1種)の産生度合は溶液の色の濃淡で表され、評価結果は2日以内に判明します。

■実験動物が不要
安全性評価にはマウスなどの動物や、カブトガニなどの血液が使用されてきました。本製品を用いれば実験動物が不要となり、倫理的にも価格的にもメリットが生まれます。

2 今後の展開

・本製品のアジア諸国への販売及びIL-6以外のサイトカインを評価するためのキットを順次開発していきます。

・本製品の作製ノウハウを応用して、新型コロナウイルス感染症の研究用細胞を国内外の研究機関へ提供する準備を進めていきます。

3 会社概要及びお問合せ先

代 表 者 :マイキャン・テクノロジーズ株式会社 代表取締役CEO 宮﨑 和雄
設     立 :平成28年7月7日
従業員数:12名
所 在 地 :京都市西京区御陵大原1-36 京大桂ベンチャープラザ
資 本 金 :96,140千円
問合せ先:研究開発部 TEL 075-381-3008

4 参考

Mylc™細胞について
 iPS細胞等から血球系細胞の分化を誘導し、ウイルス感染や免疫疾患などの研究に適した未成熟な状態のミエロイド系細胞※を培養する技術を同社が確立し、令和元年12月に販売開始した研究用細胞。
 iPS細胞等の技術を使用することで、同じ遺伝背景を有し分化段階が均一な細胞を、安定かつ多量に提供することが可能。創薬・ワクチン研究開発や免疫系研究にとって重要な“高い再現性”の確保が可能(下図の赤枠がMylc™細胞)。

※ミエロイド系細胞
 赤血球などの血液細胞のうち、白血球の顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)や樹状細胞、マクロファージを指す。骨髄系細胞ともいう。

マイキャン・テクノロジーズ株式会社HP

プレスリリース