イベント

平成30年度第1回京都市ライフイノベーション
       創出支援センターシンポジウム開催報告

「健康・医療データを活用した新事業の可能性」

日時:2018(平成30)年7月6日(金)14:00~17:05
会場:京都大学医学部創立百周年記念施設 芝蘭会館 稲盛・山内ホール
参加者数:116名

<プログラム>
「次世代医療基盤法とその先の未来像」 資料
  内閣官房健康・医療戦略室 企画官 堀内 直哉氏
【概要】次世代医療基盤法は、医療分野の研究開発を促進するために、特定の個人が識別できないように匿名加工された医療情報の利活用を推進するものである。この制度が立案された背景、制度の目的や概要、制度の活用による実現が期待される成果について解説いただく等、ICTを活用した次世代の医療の姿について講演いただいた。

「次世代医療基盤法が拓く次世代医療情報サービスの可能性」
  京都大学医学部附属病院医療情報企画部長・病院長補佐・教授 黒田 知宏氏
【概要】次世代医療基盤法は、報道等で「医療ビッグデータ法」と呼ばれるように、医療データの集積とその研究・開発活用を一つの視点に構築されている。しかし、「基盤法」の名の通り、 その情報収集の情報基盤は、医療情報サービスを提供するための基盤として活用できるものになり得る。想定される基盤活用サービスについてご紹介いただく等、基盤法のある社会の未来像について講演いただいた。

「医用画像領域におけるデータ集積とAI開発支援」
  株式会社NOBORI 代表取締役社長 依田 佳久氏
【概要】改正個人情報保護法、次世代医療基盤法の下、医療情報は1次利用から、医療分野での研究開発支援等の新たな利活用シーンでの事業創出が期待されている。クラウド型PACSや遠 隔画像診断インフラを提供してきた同社における、医療画像情報を中心としたPHRやAI開発支援等の新規事業の取組について講演いただいた。

 京都市は、京都市ライフイノベーション推進戦略を2015年4月に策定し、京都の大学等が得意とする分野と京都の企業が得意とする技術が最大限発揮できるものとして、産学公の連携によるライフサイエンス関連産業の進行に向けた「次世代医療分野」などの取組みを推進し、「健康・福祉・介護」の3つの分野に取組んでいます。一方で、国の未来投資戦略2017においてAI技術をはじめとする新たなICT技術の活用が医療の領域で重点強化されています。さらに、2018年6月15日に閣議決定された未来投資戦略2018では、データ駆動型社会への変革として、本年5月11日施行された次世代医療基盤法を追い風とした医療情報をはじめとした医療データの利活用促進に係る重点施策と具体的施策が我が国が目指す新たな方向として掲げられています。

堀内 直哉氏 黒田 知宏氏 依田 佳久氏

 7月6日は、116名の来場者にお越しいただき、ご講演と質疑応答を含め、大変な好評を頂きました。本シンポジウムが掲げた、「健康・医療データを活用した新事業の可能性」に関して、上記の3つの講演(予定プログラム一部変更)を通じて①国の政策動向における取組み、②大学研究機関における取組み、③先進民間企業における取組み、についてホットな情報と話題を提供させていただきました。
 また、健康・医療データを活用した新事業創出に向けて今後ワーキンググループを立ち上げる予定です。ワーキンググループに関する情報を希望される方は、京都市ライフイノベーション創出支援センター(事務局)までお問い合わせください。